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教育現場のための研究 – 筑波大学にて

1月の下旬から2月にかけては、各大学で卒業論文や修士論文の発表会が行われる時期です。以前からよくお伺いしている、筑波大学の体育科教育学研究室の卒業論文・修士論文発表会に今年もおじゃましてきました。

スポーツコードやCODAのサポートからは離れましたが、ここは私が20年近く、この仕事を通じていろんなことを学ばせてもらったところです。運動部で試合に向けた分析を行なっている学生にとっての大舞台がリーグ戦や大学選手権なら、研究のために分析を行なっている学生にとってのそれは、論文やこうした発表の場ではないかと思います。そんな緊張感を感じながら、一つ一つの発表を聞かせていただきました。

研究テーマの多くは、児童や生徒全員が楽しめる体育の授業を行うための教材開発や教えかたの研究を、実際の小中学校の授業や、大学の講義の中の模擬授業を対象にして行なっているものです。この分野の研究に私が20年近く興味を持ってきたのは、私の通信簿の体育の点が低かったからかもしれませんね。できない子にも目を配る、こういう教材で教えてもらったら良かったろうなと思うこともあります。

5年ほど前、発表会の際にある先生がご挨拶の中でこうおっしゃたことが今も心に残っています。細かい言葉はうろ覚えなのですが、

「分析をしていて数字やグラフだけに気を取られていると、現場のことが見えなくなってくる。協力してくださった小中学校の先生や生徒のことを忘れず、役立つ研究をするのだという気持ちを忘れないでもらいたい。」

「データ」や「情報」、また「客観的な視点」をテーマに今まで仕事をしてきた、また今後も仕事をしていくつもりの私ですが、この言葉を「それは結局、何のためにやっているのか?」を常に見つめておくように、という戒めとして心に留めています。

(橘 肇/橘図書教材)