連載「スポーツパフォーマンス分析への招待」第8回が掲載された「月刊トレーニング・ジャーナル」が本日(10日)発売されました。
連載 スポーツパフォーマンス分析への招待 8
手作業による記述分析
──再認識されるべきその利点
橘 肇・橘図書教材、スポーツパフォーマンス分析アドバイザー
監修/中川 昭・日本コーチング学会会長
今回のテーマは「手作業による記述分析」、つまり「紙とペンだけを用いて記述分析を行う手法」です。
「記述分析」(記述的ゲームパフォーマンス分析)とは、「研究目的に応じて項目を定め、特定の表記方法を使って試合でのチームやプレーヤーのパフォーマンスを記録し、その記録結果を特定の観点から数量的に処理する手法」1)とされています。
20年間「コンピューター化されたスポーツパフォーマンス分析システム」の普及に努めてきた自分が、「紙とペンでの分析」について執筆するのは不思議に思われるかもしれませんが、そうしたシステムを使うことでは得られない「何か」を探したい、またそれを見つけることが、システムの利点を再発見することにもつながる、そんな「狙い」で取材と考察を進めました。
また、ソフトウェアや分析サービスの価格も下がってきたとはいえ、日本ではまだまだユースや高校、中学レベルにまで普及しているとは言い難い現状、「スポーツを通じて何かを見出し、自ら学ぶ」体験を、できるだけ多くの若い人たちにも体験してもらいたいという思いもあります。
今回の記事では、以前からお話をお聞きしてみたかったお2人の方に「紙とペンによる手作業での分析」についてのインタビューを行いました。
お一人は、教師、指導者、アナリストとして豊富な経験をお持ちで、現在はアナリストの普及と育成のためにさまざまな媒体での発信に取り組んでいる船戸渉氏(元コカ・コーラレッドスパークス アナリスト)。
もう一人は、スポーツの競技力向上のためのハードウェア、ファームウェアからアプリケーションまでの開発と販売を行ないつつ、さまざまなスポーツのデータを記録するための紙のシートの開発・販売も手がける澤田泰輔氏(株式会社スポーツセンシング代表)です。
若い世代の育成にかけるお2人の思いが、読者の皆さんに伝われば幸いです。
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1) 中川昭(2011)ラグビーにおける記述的ゲームパフォーマンス分析を用いた研究,筑波大学体育科学系紀要,34:p.1.
(橘 肇/橘図書教材)