秋晴れの日曜日、グラブの手入れをしました。
毎年開催されていた大学のOB戦がコロナ禍でずっと中止されているため、グラブの出番のない年が続いています。
左側の2つは30年以上前の大学時代に使っていたものですが、右端の青いグラブは、それらよりずっと新しいものです。
私が独立前に所属していた会社で、輸入・販売の責任者として担当していた商品なのです。
20年以上前、日本に入ってきたばかりの「スポーツパフォーマンス分析ソフトウェア」を任されたものの、当初ほとんど販売できませんでした。なんとか会社に貢献するため、トレーニング器具や野球用品など、会社の扱っている他の商品の営業にも回っていたものでした。
分析関係の商品の売上が上がるようになり、ようやく社内で肩身の狭い思いをしなくて済むようになったのは、5、6年くらい経った頃だったかなと記憶しています。
もちろんその経験はマイナスではなく、お陰で「パフォーマンス分析はチーム強化の要素の1つであり、他のさまざまな要素とのバランスが大事」という考えを持つことができました。
データ分析やアナリストの存在が必須となった現在の人には、分析ソフトの営業に行って「これがどう役に立つのですか?」と言われる時代があったとは想像がつかないと思いますが…
私も、そんなことを口にする年齢になってしまったようです。
このグラブを使うこともないし、もう手放してもいいかなといつも思うのですが、その度にしまい直します。
そして、たまの手入れは当時のことを思い起こすきっかけになっています。
(橘 肇/橘図書教材)