【コラム】分析の演習授業で学んでおくべきテクニックは(2024.6.19順天堂大学)

2024年6月19日、順天堂大学スポーツ健康科学部の授業「体育科教育学ゼミナール」において、Vosaicを使った模擬授業分析の演習授業が行われました。今年もこの授業へのサポートに呼んでいただきました(2022年 2023年)。

ビデオガイドでの予習

過去2年は、模擬授業の映像を先生の方でVosaicにアップロードしてくださったところがスタートで、Vosaicによるマークアップ(データの入力)から演習を始め、出力したデータをエクセルで計算するまでを行っていました。今年は、基本操作ガイドのビデオをご覧になり、すでにマークアップを終了してくださっていたので、データを出力するところから始めることができました。

このビデオガイド、ユーザーの皆様にわかりやすいと好評の一方で、それならなぜもっと早く作っておかなかったのか…と私は反省しきりです。

組織的観察法による体育授業分析

体育科教育の基本的な評価方法の1つ「組織的観察法」に基づいて入力されたデータをCSVファイルでダウンロードし、エクセルに読み込んで集計を進めていきます。「期間記録」は授業の場面を学習指導(教師の説明)、マネジメント(移動や準備)、認知学習(話し合いや学習カード記入)、運動学習(体操、練習やゲーム)の4つに分類したもの、相互作用行動は、教師の受動に対する「声かけ」の分類です。1)

1) 新版体育科教育学入門(大修館書店)p.260

分析ソフトの習得だけでは不十分な理由

現在市場にある(スポーツ)パフォーマンス分析ソフトの中には、ワンクリックで表やグラフの形で出力してくれる商品ももちろんあります。しかし私自身も教員として教えるようになってから、まずエクセルで集計を行う方法の習得が必須と考えるようになりました。

大学によっては、まだ個人PCの購入・持参を必須としていないところもあります。そんな中で、特に体育の教員を目指したり、スポーツ以外の分野で仕事をする可能性のある学生が多い場合、エクセルやパワーポイント、ワードの操作も含めてスポーツパフォーマンス分析の授業の中で身につけてほしい、そう感じます。

サポートからいただくもの

例年、90分授業で2コマ分使っていたところ、今回は1コマで、COUNTIFS関数を使った回数の集計、SUMIF関数を使った4種類の期間記録の合計時間と比率を計算するところまで終えることができました。今後、研究や学習の中でVosaicを活用してくださることが楽しみです。

毎年のこうした小さな喜びの積み重ねが、この事業を継続する動機を私に与えてくれます。

(橘 肇/橘図書教材)