2024年11月7日、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科様で開講されている「球技の指導理論と方法」のオンライン講義を今年も担当させていただきました。一昨年、昨年と同様に、今年も開講キャンパス別に2回のご依頼をいただきました。
この日は博士前期課程の学生さん約6名に、Zoomを使ってオンライン講義をさせていただきました。
毎年の授業内容の更新
毎年ご依頼をいただく授業の場合、もちろん受講者の学生さんは毎年違うわけですが、前年よりも少しでも良い授業をお届けしたいと思っています。
今年は、昨年取り入れたワークレート分析(タイムモーション分析)を思い切って省いて試合分析だけに絞り、パフォーマンス指標を考え、それに基づいた分析を行って簡単なレポートを作ってもらう、という内容にしました。この1年、さまざまな場で演習授業を行ってきた中で、分析を行う視点、「パフォーマンス指標」の理解と選定が重要であることを感じたからです。
パフォーマンス指標の重要性
「スポーツパフォーマンス分析入門」1)では、妥当なパフォーマンス指標を決定する過程として、統計的方法(勝者と敗者のパフォーマンスの比較、成功者と成功しなかった者のパフォーマンスの比較)と、統計によらない方法(研究の調査、文献の調査、専門家の意見)が記述されています。
それに従うと、1、2コマの授業の中でたった1つでも妥当なパフォーマンス指標を決定することは非常に難しいことですが、方法については理解してもらえたらと思います。
1) オドノヒュー:中川昭監訳, 橘肇・長谷川悦示訳(2020)スポーツパフォーマンス分析入門ー基礎となる理論と技法を学ぶ, 大修館書店, pp.66-71
さまざまなスポーツを題材に
参加している学生さん全員の専門競技を把握しておくことは難しいので、演習用にはなるべく多くの競技の映像を用意しておくようにしています。
ここは宣伝になって恐縮ですが、人数と分析フォームの作成に制限のないVosaicのおかげで、こうした演習授業をお引き受けすることができるようになったと思っています。アプリの中で統計的な出力ができない点は物足りないかもしれませんが、それとても、Excelの重要な数式を覚えることができると考えれば、かえってこうした授業には適しているようにも思えます。
「パフォーマンス指標を1つ考え、Vosaicのフォームを作ること」という課題に対し、それぞれに工夫をしたフォームを考えてくださいました。いくつかピックアップします。Vosaicのフォームのボタンやタグが「アクション変数」であり、これを使って入力したデータから「パフォーマンス指標」を計算します。
VosaicのCSVファイルを読み込んだExcelのブックをそのまま使い、このコマのレポートとして提出していただきました。
12月に予定されている別のキャンパスの授業では、25名以上の受講生が参加する予定だそうで、こちらもとても楽しみです。
(橘 肇/橘図書教材)
【解説動画】②ゲームパフォーマンス分析演習授業の進め方