11月27日と12月11日、東邦大学理学部様(習志野キャンパス)にて「スポーツ・健康科学」の講義を担当させていただきました。毎年、この授業では2回に渡ってスポーツ情報分析とスポーツ映像分析についてお話をさせていただいています。
昨年に続き、今年も40人前後とお聞きしていましたので、演習を含めた内容がスムースに進行できることを念頭に事前準備を進めました。毎年感じていることですが、体育、スポーツ関係の学部以外の学生さんに、スポーツを通じた情報分析について学んでもらえる機会をいただけるのは嬉しいことです。
いかに身近に感じてもらうか
最近、導入の部分で使っているのが、あるサイトで見つけたスポーツの数字にまつわるクイズです。なかなか全員に馴染みのあるスポーツや数字というのはありませんが、できるだけ身近なものからスタートしたいと思っています。出典では回答が載っているだけですが、ここに実際のトップレベルのプレーヤーやプロチームの数字を加えることで、よりすごさが際立つようにと考えてみました。
手作業の分析で伝えておくこと
この授業では十分な時間をいただいているので、まず手作業の分析に取り組んでもらいます。度数表を使った分析では、「スポーツパフォーマンス分析入門」の記述を参考に、複数の変数を組み合わせて記録しなくてはいけない場合、記録フォームをどう工夫するかという課題に取り組んでもらいます。これを考えることは、のちに分析ソフトの入力インターフェース(フォーム)を考える際に生きてくると思っています。
1) オドノヒュー:中川昭監訳, 橘肇・長谷川悦示訳(2020)スポーツパフォーマンス分析入門ー基礎となる理論と技法を学ぶ, 大修館書店, pp.112-115
ワークレート分析の体験では、狭いエリアでの方向転換を伴う動きという点で、バドミントンのプレーヤーの追跡を行ってもらいます。もちろん正確性では最新のトラッキングシステムに及ぶべくもありませんが、アジリティやターンの様子、競技による選手の動きの特徴を捉えることは十分に可能です。
少しでも良い授業を届けるために
50分ずつ2コマに分かれている授業の2コマ目は、パフォーマンス分析ソフトの操作です。バスケットボールのゲームを題材に、ボタンとタグの働き、イベントを記録する方法について知ってもらいました。2回目(12月11日)は、複数のスポーツのゲームの映像を私の方で用意し、各自が選んだスポーツのパフォーマンス指標とアクション変数を決めて分析に取り組んでもらう予定です。
(操作に慣れるまでは、ボタンを押すタイミングもまちまちになってしまいます(上から4行ずつが1人分です)。これを確認することも、1つのいい勉強だと思っています。)
2020年以来授業回数を重ねてきたこともあって、スポーツパフォーマンス分析の基礎を学ぶ演習授業について、おおよそのパターンが作れてきたように感じます。いつかこうした授業をご担当されている、あるいは担当するご予定の先生方と意見を交わしつつ、改良していくことができればと思っています。
(橘 肇/Vosaic国内総代理店 橘図書教材)
【解説動画】②ゲームパフォーマンス分析演習授業の進め方