連載『スポーツパフォーマンス分析の方法を教師の育成支援に』第3回「③多面的な振り返りで授業者の視点を補う」

「月刊トレーニング・ジャーナル」2024年3月号(電子書籍)が、2月15日に発売されました。スペシャルレポート「スポーツパフォーマンス分析を教師の育成支援に」の第3回が掲載されています。

スペシャルレポート
スポーツパフォーマンス分析の方法を教師の育成支援に
― ③多面的な振り返りで授業者の視点を補う
橘 肇・橘図書教材、スポーツパフォーマンス分析アドバイザー

全3回の最終回となる今回は、NPO団体「教育総合プロデュース・RTF教育ラボ」が行っている授業診断について、授業後の振り返りでの映像フィードバックの活用の様子をリポートします。合わせて、この授業診断を通じて目指しているものについて、代表者へのインタビューを行いました。

授業者の視点を補う「映像」

研究協議会は、まず授業者の教員が自身の授業を振り返ることから始まりました。そして診断者を務めた教員とRTF教育ラボのメンバーが講評を述べたあと、Vosaicで診断を行った診断者が、ソフトウェアの画面をプロジェクターに映し、気になった箇所の映像を再生しながらコメントを行っていきます。授業者の教員が気づかなかったところを、第三者である診断者の視点、そして映像によって、多角的に補っていくのです。

今回のビデオでの授業診断項目

授業診断は「授業の健康診断」

後半は、RTF教育ラボ代表の村上敬一のインタビューです。村上さんたちが考える「いい授業」の定義に始まり、診断における定性的評価と定量的評価の使い分け、診断者による解釈の違いについての考え方など、学校、教員それぞれに千差万別の授業をどう診断するのか、疑問に答えてくださっています。

私(橘)はスポーツ情報分析の分野で仕事を始めた20年以上前から、スポーツパフォーマンス分析の手法をスポーツ以外のさまざまな分野でも活用してみたい、普及を推進していきたいという目標を抱き続けてきました。それこそが、父の創業から60年を迎える橘図書教材が、現在果たすべき役割の1つであるとも思っています。

今回のレポートのような事例を、今後、増やしてきたいと思っております。

(橘 肇/橘図書教材)