連載『スポーツパフォーマンス分析への招待』第21回が掲載された「月刊トレーニング・ジャーナル」2021年9月号が、本日8月10日に発売されました。
連載 スポーツパフォーマンス分析への招待 21
コロナ禍のスポーツパフォーマンス分析授業
ー さまざまな開講方式を試みた前期
橘 肇・橘図書教材、スポーツパフォーマンス分析アドバイザー
監修/中川 昭・筑波大学名誉教授、日本コーチング学会会長
桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部で私が担当している授業の前期が終わりました。今回は、コロナ禍の中で実施したこれらの授業について振り返っています。「スポーツ情報戦略論」「スポーツ技術・戦術論」の2科目について、全14回のそれぞれ各回の開講方式と実施内容について公開します。
授業の構成や内容については、ほぼゼロからの設計になりました。この連載の監修の中川先生をはじめ、ゲームパフォーマンス分析の先達の先生方にお聞きしつつ、自分が受けてみたい授業はどんなものだろう、そう考えながら毎回の授業を組み立てていきました。コロナ禍の中で対面講義や実習の時間が十分に取れなかったことは残念でなりませんが、学生たちの粘り強く取り組む姿に励まされました。授業の構成や内容について丸ごと参考にできる前例がなかったことも、私自分が真剣に考える上で良かったのかもしれません。
ここで、簡単に2科目の講義内容をご紹介しておきます。
- 「スポーツ情報戦略論」では教科書に「球技のコーチング学」(大修館書店)1)を選定し、講義では主に球技スポーツの情報戦略についての概要と、情報戦略に必要なパフォーマンスを評価、分析する方法について扱いました。
- 「スポーツ技術・戦術論」では教科書に「スポーツの戦術入門」(大修館書店)2)を選定しつつ、筑波大学体育専門学群で使用されている「体育科学入門テキスト」の中の1章「勝つための戦術論」3)を、戦術の重要性や戦術の意義、戦術力を高める行動を学ぶ手引きとして参考にさせていただきました。
スポーツ情報科学系の教育にご関心のある教員、学生の方はもちろん、いろいろな方にお読みいただければ幸いです。ご購入はブックハウスエイチディ様のサイト、またはamazon等からお願いいたします。
(橘 肇/橘図書教材)
1) 日本コーチング学会編(2019)球技のコーチング学,大修館書店
2) ケルン:朝岡正雄・水上一・中川 昭監訳(1998)スポーツの戦術入門,大修館書店
3) 中川昭(2010)運動学入門3――勝つための戦術論.体育科学入門テキスト,筑波大学体育専門学群,pp.137-142.