連載『スポーツパフォーマンス分析への招待』第24回

連載『スポーツパフォーマンス分析への招待』第24回が掲載された「月刊トレーニング・ジャーナル」2021年12月号が、本日11月10日に発売されました。

連載 スポーツパフォーマンス分析への招待 24
パフォーマンス分析の質的方法
ー テクノロジーの支援による動作観察
橘 肇・橘図書教材、スポーツパフォーマンス分析アドバイザー
監修/中川 昭・筑波大学名誉教授、日本コーチング学会会長

私が非常勤講師を務めている桐蔭横浜大学では、9月の半ばから後期の授業が始まりました。後期に私が担当している2科目のうちの1つ「スポーツ映像分析論」は、「スポーツ映像活用の基礎を学び、さらに適切に映像を撮影、管理、分析、提供するための実践的な映像活用技術を習得する。」ことを主題としています。

この科目では主に動作の分析・評価に質的分析と量的分析の両面からアプローチしていきます。今回の連載では、この授業の内容を軸に、パフォーマンスの質的分析を学ぶことについて考察しました。

この科目の特徴が、映像分析ソフトの開発と発売を国際的に展開しているダートフィッシュ社(スイス)の日本国内法人「株式会社ダートフィッシュ・ジャパン」と提携し、ダートフィッシュ社の定める「ダートフィッシュ・エデュケーション・カリキュラム」の日本初の認定校として授業を行っていることです。

映像分析やパフォーマンス分析に関する基本知識を学ぶとともに、映像分析ソフト「ダートフィッシュ・ソフトウェア」を使って動作分析やゲームパフォーマンス分析の実践を学ぶことができます。質的分析と量的分析、動作分析とゲームパフォーマンス分析の両方をバランスよく学べるという点では、さすが歴史のあるソフトウェアだと実感します。私自身も毎回の授業で大いに刺激を受けています。

(授業のスライドより)

書籍のご購入はブックハウスエイチディさんのサイト、またはamazon等からお願いいたします。

本連載は今月で24回、2年を迎えることができました。監修の中川昭先生、取材先の皆様、また編集部の方のご支援のおかげでここまで継続できました。ここに心より感謝を申し上げます。

本連載は、私自身が20年間にわたって関わってきたスポーツパフォーマンス分析の世界や、スポーツアナリストという存在について、様々な情報を整理して伝えたいという狙いでスタートしました。そんな中で、今年度、私自身が大学でスポーツパフォーマンス分析を教える機会を得たことは、スポーツパフォーマンス分析の知識や手法を学ぶことの可能性を考えるとともに、一方でそれを教える上で不足しているものを考えるという点で、私にとって大きな転換点となりました。

第1期の連載を今回で一区切りとし、来月号から新連載としてスタートします。スポーツパフォーマンス分析の知識や手法を、様々な現場においてどう生かすことができるのか、また教育現場の中でどのような学び方があるのか、さらに視野を広げて探っていきたいと考えています。引き続き、どうかよろしくお願いいたします。

(橘 肇/橘図書教材)