【コラム】領域を越えた学びの機会 – 日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会に参加して

8月30日から9月1日まで、同志社大学今出川校地で開催された日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会に参加してきました。

会場となった良心館は2012年竣工の建物で、今回のような大規模な学会を1つの建物だけで賄える規模の校舎です。校地の中でも新しい建物であるにも関わらず、校舎や教室のデザインは非常に落ち着いた感じで、周囲の歴史ある建物とも違和感なく馴染んでいます。

また非常に便利だったのは、校舎内の至る所に自由に使える机と椅子、ベンチが設置されていることでした。日本の大学では最大級のラーニング・コモンズが設けられていることも加え、学生の自学自習のための環境が整えられています。私たち参加者にとっても、学会参加時によくある「ちょっと座って何かしたい時の居場所に困る」ということがなかったのではないでしょうか。

さて、初日から最終日まで、プログラムを参考にしながら興味のわいたご発表やシンポジウムを聴講しました。以前は自社商品に直接関係のない領域への関心が薄かったのですが、「会社の出した協賛金で来ていた」のか、「自分の懐から参加費を出している」のか、という違いも気持ちの上で大きいのかもしれませんね。

中でも特に印象に残ったのは、筑波大学の會田宏先生のキーノートレクチャー「コーチング学における戦術研究の展望」でした。戦術研究の歴史と課題、そして今後の展望をわかりやすく解き明かされたご講演でした。スポーツパフォーマンス分析の教育に関わっている自分も、こうしたことを背景・前提として理解した上で、教えていきたいと改めて思いました。

(橘 肇/橘図書教材)