【コラム】33年前の書籍を探して

「メルカリ」を初めて利用して手に入れました。

1987年に刊行された、野村克也氏の著書です。

現在、「情報の伝え方」をテーマに執筆を進めているのですが、そのアイディアにつながったのが、この書籍に出ていた野村氏のエピソードです。野村氏の書籍を読み始めたのは私が野球をしていた中学生か高校生の時、父親が購入してきたのが最初だったと思います。

どんな逸話だったのかは記事の方に書きましたので、ここでは「分析から発見した情報を他の選手に伝える上での失敗談」と記しておきます。今までずっと記憶していたくらいですから、当時の私も、よほど強い印象を持ったのだと思います。

正確に引用したかったので実物を見る必要があったのですが、実家に帰って確認するのもままならず、インターネットでいろいろと検索しているうちにようやくたどり着きました。しかし書籍名は分かったものの、現在販売されているのはKindle版の電子書籍のみ。この場合、参照文献としての引用は認められるのでしょうか…?

幸いにもメルカリで出品されているのを発見。無事、実際の書籍で内容を確認でき、またページ番号等も記すことができました。

それはそれとして、こうしてスポーツパフォーマンス分析について改めて考察するようになって、「基本のことは、ほとんどノムさんの本に書いてあるのでは。」と思うことがよくあります。

昔メディアの仕事をしていた時はまだインターネットの普及前、ある情報を調べるために、図書資料室にこもって新聞や雑誌のバックナンバーを1日中めくり続けていたことを思うと、隔世の感です。しかしそんな今の時代だからこそ、執筆者としても、ソフトウェアの営業職としても、出していく情報の質と伝え方にには注意していきたいと思います。

次回からの「スポーツパフォーマンス分析への招待」(『月刊トレーニング・ジャーナル』)では、「情報の伝達」をテーマに、分析の結果やビデオの見せ方、その上での注意点について取材、考察していきます。

(橘 肇/橘図書教材)