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【コラム】はじめに「人は必ず間違える」

4月12日から大学での授業が始まりました。上司の先生の許可のもと、差し支えない範囲で授業の内容をこのブログや「トレーニング・ジャーナル」の連載で発信していくことにします。

今月14日のNHK「クロースアップ現代+」では、『ダルビッシュ投手が!青学陸上部が!能力伸ばす“オープン・シェア革命”』と題して、データや技術を積極的に公開していくことで「成長の好循環」を生み出そうという動きが紹介されていました。ダルビッシュ投手の技術や青学陸上部の練習メソッドには到底及ぶものではありませんが、私自身も試行錯誤の様子や失敗したことも含めて公開することで、スポーツパフォーマンス分析の教育に関心のある方との情報交換、そして授業内容の改善へとつなげていくことができたらと思っています。

さて、初回の授業はオリエンテーションという位置付けで、授業のねらいや受講のルールなどをまず話し、その後に授業内容のイントロダクションとして、スポーツ情報分析の最近のトピックに関する短い講義を行いました。表題にあげた言葉は、私が最も強調したかったメッセージです。

この言葉を初めて聞いたのは8年ほど前ですが、それはスポーツの場ではなく、当時仕事でサポートをしていた産科医療関係のセミナー、「ALSO」Advanced Life Support in Obstetrics)*の中のある講義でした。緊急医療の場では、思い込みや確認の漏れによる判断ミス、スタッフ間の意識のズレ、確認の漏れといったエラーは、例え小さなものであっても命の危機につながります。そうしたエラーを防ぐためにこの言葉が常に強調されていたのが印象的で、それに倣って、私も情報分析に関する講演を行う際によく使うようになりました。

*医師やその他の医療プロバイダーが、周産期救急に効果的に対処できる知識や能力を発展・維持するための教育コース

初回の授業の準備をしている段階で、いかに自分が「空っぽ」であるかに気づかされました。20年間のスポーツパフォーマンス分析ソフトの販売経験で何を学んだのだろうと愕然としましたが、それを自覚できただけでもまだ間に合った、と前向きに考える春にしようと思っています。

(橘 肇/橘図書教材)