【コラム】前期授業の終了〜さまざまな授業形態を実施して

4月の新学期開始当初は対面で行っていた私の担当科目ですが、その後の東京都での緊急事態宣言発出により、いったん「遠隔授業」に切り替えることになりました。昨年来、すべての学校の先生方が直面してきた遠隔授業という課題に、私自身も当事者として向き合うことになったのです。

そこからの数回は、ビデオ会議システムを利用した「オンライン」と、あらかじめ収録したビデオ教材を視聴させてレポート提出を求めるといった「オンデマンド」の両方の授業形式を使い分けました。初めて講師として担当した大学の授業ですが、わずか2ヶ月の間に対面、オンライン、オンデマンドの講義、そして対面の実習まで実施することになりました。

オンライン授業のコンテンツを考える上では、私のひとり語りがずっと続くという単調な構成はできるだけ避けようと思いました。例えば「絵面」に関して、PCのカメラではどうしても胸から上(バストアップ)の映像だけで単調になることが気になります。少しでも動きや変化をつけられないかと考え、自宅よりもなるべく大学の実習室に行き、画質の良いHDビデオカメラをコンバータで接続し、ホワイトボードを自分の背後に置いて書き込みながら行うといったことを試してみました。

5月の後半からは、実習室を使った対面でのソフトウェア実習をスタートできました。もちろん新型コロナウイルス感染拡大予防に留意し、受講人数の調整による間隔の確保、使用前後の機器の消毒、窓や入口の開放による換気など、慎重な対応の上で実施しました。まだまだ新型コロナウイルス感染症の状況がどうなるかわからない現状、後期の授業も柔軟な対応を考えつつ、もっと良い方法がないか工夫したいと思っています。

前期、さまざまな授業形式を行ってみての私自身の振り返りを、2つの授業の授業内容と共に月刊トレーニング・ジャーナル9月号(8月10日発売予定)でご紹介するつもりです。失敗談と言っていいのか、成功談と言っていいのかはわかりませんが、少しでもスポーツ情報分析系の授業を担当なさっている先生方の参考になればと思います。

(橘 肇/橘図書教材)