【コラム】世界最強コーチボックスへの旅路

今日の朝、Twitterのタイムラインで見つけました。
いつもの年より数ヶ月遅い、各チームの新入団選手・新入団スタッフのお知らせの中の一つ。

2020年6月15日 | キヤノンイーグルス 入団選手・スタッフのお知らせ

私の目が止まったのは、DFコーチに就任した方の名前。
個人的、あるいは仕事上で直接知っている人ではありませんが。

氏名
Alistair Rogers アリスター・ロジャース
経歴
オールブラックス アナリスト
サモア代表 DFコーチ
SR/ブルーズ アシスタントコーチ

Alister氏の名前を知ったのは9年前の2011年、ニュージーランドのウェブニュースの記事でした。

Welshman’s analysis adding value to All Blacks(stuff.nz 2011年8月6日)

2009年3月、世界最強ニュージーランド代表のスポーツテック社ソフトウェアの採用(スポーツテック社10年誌より)からまだそれほど経っていない頃のこの記事、写真に映っているMacのノートブックには心躍る思いがしました。すぐに和訳して、当時所属の会社のサイトに掲載したものです(もう削除されたようですが)。

ウェールズのラグビー青年がプロ選手の道を断念してニュージーランドに渡り、パフォーマンスアナリストとして代表のコーチボックスにたどり着くまでのストーリーも夢のあるものですし、彼の仕事に対する姿勢もよく現れた良い記事だと思います。アナリストに関心のある方には、ぜひ読んでいただきたいと思います。

中でも最後のこの一文は、その後ずっと、私の仕事の上での戒めと心に留めています。

Rogers calls it the “devil in the detail” that can give a side an edge, but he is always wary of getting bogged down in analysis.
ロジャースはそれ(各選手が見られるように整理した様々なビデオクリップ)を、自チームを優位に立たせる「細部の悪魔」と呼ぶ。しかし(同時に)、彼は分析に囚われてしまわないようにと常に警戒している。

(橘 肇/橘図書教材)