【コラム】スポーツパフォーマンス分析をコーチング学の必須科目とするために

2023年度、京都先端科学大学で非常勤講師を務めることになりました。健康医療学部健康スポーツ学科に新設されるハイパフォーマンスコースで、「スポーツパフォーマンス分析」の科目を担当します。

未来への改革を続ける大学で

京都先端科学大学体育館

京都先端科学大学は1969年に開学した京都学園大学が前身です。2019年に京都先端科学大学に校名変更して以来、未来に向けた大胆な改革を実行しています。

新設のハイパフォーマンスコースは、スポーツ競技者のパフォーマンス向上と、コーチング・支援する実践力を身につけることを目指すコースです。幅広い視点からスポーツ競技者を科学的にコーチング、支援する力を育み、アスリートの育成や支援に関わる人材を輩出することを目標にしています(大学HPより)。

指導者育成の重要科目

京都先端科学大学亀岡キャンパス

そうした目標を掲げている新設コースの講師として声をかけていただいたこと、心から嬉しく思うとともに、責任の重さも感じています。

今まで数多くの授業の機会をいただいてきましたが、その分、良くも悪くも慣れと、いささか型に嵌っていたところがあったように思います。大胆な改革を続ける大学から声をかけていただいたこの機会に、私自身も「何のためにスポーツパフォーマンス分析を学ぶのか」という原点に立ち返り、授業内容も改めて見直してみたいと思っています。

トレーニング・ジャーナルの連載の監修をお願いしている中川昭先生の論文において、「競技力/パフォーマンス論」をコーチング学の構成領域の一つとして位置付けておられます*。このお考えに触れて以来、スポーツパフォーマンス分析はすべてのコーチ、指導者の育成のための重要科目と理解し、そうなるために微力ながら力を尽くしたいと思ってきました。

*中川昭(2020)コーチング学の学体系の構築:その方向性と方策,筑波大学体育系紀要,43:1-7

多角的な視点を持ち続けるために

肌寒いながらも雲ひとつなく晴れた3月の空の下、授業を行う京都先端科学大学亀岡キャンパスを案内していただきました。

私にとっては、30数年前の大学野球部時代にオープン戦で何度か訪れた思い出あるキャンパスです。縁というものは、いつか繋がっていくのだなあと改めて感じた日でした。事務の方々や、同じ学科の先生方も親切にサポートしてくださり、安心できました。

橘図書教材は創業以来一貫して、パフォーマンス分析と映像フィードバックを幅広い教育の場に普及することを目標に活動しています。そして多角的な視点を持ち続けるためには、自分自身も「実践の場」に居続けることが必要だと考えています。その意味で、最大の実践の場の1つである「教育」に携わる機会を、複数の大学からいただいていることは本当にありがたいことです。

演習にはVosaicを使用しますが、これも実際に授業で使う立場から、長所・短所を客観的に見ることができるだろうと思っています。

パフォーマンス分析が「指導者育成の必須科目」となる日を目標に、学生のためにしっかり準備して取り組みます。

(橘 肇/橘図書教材)